利益相反?COI?一体なに?研究によく出てくる言葉
薬害オンブズパースン会議は2日、心臓の一部が不規則に震える心房細動の薬物治療で、指針策定に関わった11人の研究者が2014年度に製薬企業5社から計1億円以上の報酬を受け取り、利益相反の疑いがあるとして、5社と指針を作った日本循環器学会など3学会に公開質問状を送った。指針は13年に改定され、5社の抗血栓薬4種類の使用が推奨された。
こんなニュースがありました。
利益相反という言葉は普段生活していると殆ど聞くことはないと思います。
しかし、臨床研究や学会での発表の時にはよく耳にします。
それでは利益相反とはどのようなものなのでしょうか。
利益相反とは・・・
利益相反とは、外部との経済的な利益関係により公的研究で必要とされる「公正」かつ「適正」な判断が損なわれる、または損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態のことを言います。
利益相反は程度の差こそあれ必ず存在するものです。利益相反があること事態が問題なのではなく、それにより研究の倫理性および科学性が揺るがないことが大切です。
そのため、利益相反に関しても個人で管理するのではなく、第三者が研究の倫理性および科学性を審査し担保する体制が必要です。*1
研究を行うためには資金が必要となります。資金を自前で調達する研究者も稀にいますが、一般的にはそれは困難です。研究を進めるには企業などからの資金提供が必要となります。資金がなければ研究は進まず、その先にある科学や医学の進歩はありません。
利益相反が悪なのではなく、それによってデータの捏造や不正など真実が曲げられることが問題なのです。
そのために利益相反に関しても個人で管理するのではなく、第三者が研究の倫理性および科学性を審査し担保する体制がが必要となってくるのです。
最近では論文や学会での発表の際に、利益相反を公表することが多くなっています。
この点については流して読んだり、聞いたりしているかもしれませんが一度確認してみてください。
利益相反とは何か―どうすれば科学研究に対する信頼を取り戻せるのか
- 作者: 新谷由紀子
- 出版社/メーカー: 筑波大学出版会
- 発売日: 2015/03/26
- メディア: 単行本
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